溶融亜鉛メッキ鋼板と電気亜鉛メッキ鋼板
まず製造方法の違いがあります。
溶融は、溶融亜鉛槽に鋼板を浸漬して鋼板表面に付着させる方法です。
槽の温度は約450℃で鋼板は約1?2分間浸漬されます。
鋼板表面に均一に付着し、膜厚が厚くなります。
電気は、めっき槽に鋼板を浸漬し電流を流すことで鋼板表面に付着させる方法です。
めっき槽には電解液が入った容器が用いられ、電流を流すとイオンが鋼板表面に析出して膜を形成します。
鋼板表面に均一に付着しますが、膜厚は溶融に比べて薄くなります。
次に性能の違いについて述べます。
溶融では、膜厚が厚いため電気に比べて耐食性が高くなります。
ZnはFeよりもイオン化傾向が大きいため、鉄が腐食するとZnが代わりに腐食して鉄を保護し、膜厚が厚いため溶接時の熱の影響を受けにくく溶接性にも優れています。
電気では膜厚が薄いため溶融に比べて耐食性は劣りますが均一にメッキできるため見た目が良いというメリットがあり、溶融に比べて加工性も良く塗装などの表面処理にも適します。
さらに用途の違いについて述べます。
溶融は屋外で使用される製品に多く使用されます。
建物の外壁や屋根やガードレールやフェンスや橋梁などの材料として用いられます。
自動車部品や農業機械などの部品にも用いられています。
電気では屋内で使用される製品や部品などの材料として用いられます。
家具や建材や電気製品や自動車部品などの材料として用いられ、塗装などの表面処理を施して建物の内装や家具などに用いられることもあります。
